はたして現代人は素材についてどこまで向き合ってるのかと思うときがある。
手に触れるものは大量生産、大量消費という名のもとで工業化、化学的に作られたものがほとんどで、意識しなけれはそのようなものに囲まれて生活しているし、身につけている服さえも化学繊維の硬い繊維でできて肌とコンタクトしている。
日本もつい100年くらい前はそんなこと考えなくとも作れるものは自分でつくったし、それゆえ素材の見極める力は普段の生活の中で
自ずと培ってきた。
現代からはなれてそんな世界にすこし近づいてみる。
素材の本質を見極めるときに、その素材を実際に採取して、触れて、嗅いでなど身近に体感しないとわからないことが沢山あるのだ。
つい最近、姉と連絡をとっていたら青竹踏みがほしいと聞き、つくってみることにした。
仮の住まいの近くに竹藪があり、そこで採った竹を加工する。
姉も以前来た時に竹藪があるなぁと思っていたらしく狙っていたみたいだ笑
竹を半分に割り、さらに節を2つづつのこしながら青竹踏みのサイズにカットしていく。
竹を割いていくと、ビヨンビヨンしてそのしなやかさに驚くのだ。
これだけで形にはなるのだが、竹は水分や油分を含み、青臭い匂いを放つ。そして虫が湧いたり腐ったりするのを防ぐために油抜きという作業がまた必要だ。いろいろと方法はあるみたいだが。つかっている暖炉ででた灰があったので、ペースト状にしてこすりつけることにした。
灰のもつアルカリ性の成分が油分取り除くようだ。
天日に干して完成。両足でふんでもビクともしない強靭な構造をもう青竹踏みが完成した。姉が喜んでくれたら嬉しい。
ちょっとそれを並べると建築家ルイス・カーン設計のキンベル美術館のようなアーチ建築みたいだ。
合理的な形には意味があるのだ。
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